むちうち闘病記 49
むちうち闘病記 49

入院生活<35>

私にとって
希望の光が見え、
覚悟は決まった。
この病院に入院し、
様々な交通事故に
あった人達から
話を聞いた。
私の事故経験は、
最初の
大きな事故が
20年前だ。
自宅から
駅に行くため、
路線バスに
乗った直後に
起こった。
一番前のつり革に
つかまったのが
悪かった。
緩やかなカーブを
曲がり始めたとたん、
鮮やかな
紫色の車が見えた
直後に
大きな衝撃を
感じたのだが、
その後のことは
解らない。
気がつくと、
目の前が真っ暗で、
騒がしい声が
聞こえる。
運転手さんを
怒っている声も
聞こえた。
その声で
事故と解る。
身体も動かず
真っ暗な中、
「違う。
この運転手さんは
悪くない」
そう思った時、
鼻の激痛で
顔をゆがめた。
「大丈夫ですか」
と言う声に、
目を開くと、
黒髪の頭が
私の顔に
乗っている。
すぐ上の人が
起こされて、
やっと私も
助け起こされた。
将棋倒しの
下敷きに
なっていたのだ。
ちょうど、
バスに乗るための
ステップに頭が
かかっていたので、
後頭部は
強打しないで
すんだ。
鼻の激痛は
前の人の後頭部が
ぶつかった
痛みだった。
その時は、
自力で歩いて
バスを降りた。
紫色の車が
バスと
正面衝突をして
めり込んでいる。
相手の運転手は
ハンドルに挟まれ、
救急車が来ても
助け出すことが
出来ずに、
レスキュー隊待ち
なので、
バスの乗客が
先に救急車に乗り、
私はそのまま入院。
病院に着いた
直後は、
公衆電話から
家族に
電話ができたのに、
急にイスに
座っている事さえ
辛くなった。
診断は
全身打撲と
頚椎捻挫。
新聞に
私の名前が
載った。
大変な事故に
思えたが、
相手の運転手は
命をとりとめた
そうだ。
私は退院後、
目の調節障害で
3カ月通院した。
ひどい疲れ目で、
目を開いて
いることが出来ずに、
アイマスクを
着用しなければ
ならなかったが、
色の濃い
サングラスに変わり、
治癒できたので
示談を承諾した。
だが、その後も
ひどい頭痛に
悩まされ続ける。
痛くて
涙があふれるのだが、
顔の表情を
変えるだけでも
衝撃で
頭痛が強まる。
脳外科に行っても、
ストレートネックの
ためと言われて
牽引治療に通う。
首や、
肩甲骨が痛くて、
整形外科に行っても、
同じ診断と治療の
繰り返しだった。
その後、
数年経ったあと、
また事故に
遭ってしまった。
赤信号で停車中に
後部から
激突されたのだ。
この時から、
手足の痺れが
加わる。
5カ月通院しても
手足の痺れは
治らなかったが、
相手の保険の人が
わずらわしかったので
示談した。
仕事は
何とか行くことが
できたし、
家事も
何とか工夫して
こなしてきた。
冬場は、痙攣痛が
何度も起こるし、
一年中
ちょっとした事で
首を痛め、
無理をすると
様々な症状が
強くなり
寝込んで
しまっていた。
手が不自由で、
ペットボトルや
ジャムのフタが
開けられない。
お箸さえ
持てなくなる
時がある。
それが
星状神経節ブロックで
改善されたのだから、
C2ブロックの効果は
期待できるという。
今までの
辛くて不自由な
生活から、
少しでも
解放されるかも
しれないのだ。
不安よりも
期待で
胸がいっぱいになった。
(都合により、
しばらく休載します)
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むちうち闘病記 48
むちうち闘病記 48

入院生活<34>

患者や
家族にとって
希望の光は、
日常生活を
快適に
思い通りに
過ごせることだ。
正しい診断名
がつき、
その疾患の
治療を受けて、
人並の生活が
送りたいのだ。
日本では、
誰もが知っている
疾患ならば、
診断基準も
治療法も
確立されている。
保険適用で、
身近な施設で
検査が受けられ、
治療も受けられる。
もちろん高度な
医療知識がある
医療スタッフ集団の
元で、
検査・治療が
受けられるか
どうかは、
施設により
大きな差が
あるのだが…。
しかし、病態が
解っていても、
学会や
医師会・政府が
認めなければ、
保険適用には
ならない
疾患もある。
海外では
認証されている
治療薬も
日本では
認可がおりず、
経済的に
苦労している
人達が
大勢いる。
これから社会に
貢献できる
多くの人材を、
失っていることは
確かなのだ。
政治家やお役人に
陳情しても、
らちがあかない。
でも、
大臣の考え一つで
変わることを、
私は
過去に経験した。
ケアマネージャーの
資格試験の時に、
誰もが唖然とした
ことがあった。
戦時中、
テニスを庭球と
呼ばなければ
ならなくなったが、
そんなことが、
現代でも現実に
あったのだ。
それまで、
介護サービスや
介護関係の
施設名は、
ほとんどが
英語のカタカナ名で
通用していた。
ところが、
小泉さんが
厚生大臣になり、
カタカナ語は
解り難いからと、
全て日本語の
漢字を用いた
名称に
変更しなければ
ならなくなったのだ。
これには、
大きな混乱があった。
実際に働いている
スタッフは
学校でも
カタカナ語で
勉強してきて、
実際に職場で
普通に
使われていた
言葉なのに、
新しく覚えなければ
ならない。
反対の声が
上がったはず
なのに、
あっさり簡単に
決まってしまった。
試験を受ける側も、
今まで
常識とされていた
言葉は全て、
新しく作られた
日本語の言葉も
覚えなければ
ならなくなった。
高齢者や
認知症の患者さんが
家族にいれば、
必ず知っている言葉を
例に出してみる。
デイサービスは
通所介護、
ショートステイは
短期入所生活介護、
グループホームは
痴呆対応型
共同生活介護
などだ。
今現在、
義母が認知症で
介護サービスを
利用しているが、
日本語読みで
使う人は
誰もいない。
大臣の一言で、
こんなに
大きなことが
行なわれたのだ。
生命に直結しない
病気でも、
仕事や学校に
行けなければ、
日本の社会に
とって
経済的に
大きく影響するのだ。
医師会の偉い人や
大臣に発言権の
ある人に、
現状を認識して
もらいたい。
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むちうち闘病記 47
むちうち闘病記 47

入院生活(35)

希望の光が
見えたが、
C2ブロックが
全国で
どのくらい
行なわれているかを
聞いた時に、
「把握できていない」
というのが、
気になった。
この病院では
初めてというのは
事実だ。
ブラッドパッチを
受けるかどうか、
ネットで
散々調べて
躊躇しながらも
受ける覚悟で
入院した。
でも、
C2ブロックは
資料がない。
医師からの
口頭での説明
だけだ。
とりあえず、
自分が聞いて
理解したことを、
文章にしてみた。
どう考えても、
後頭部に6cmも
針を入れるのに、
説明書や
同意書がないのは
疑問だ。
C2ブロック
施行の記録が、
カルテだけでは
不安になったので、
結局、
自分で作ってみた。
筆圧がないため、
ミミズが
はいずったような
文字しか
書けないので、
主人に頼んで
ワープロで
プリントして
もらった。
私は今まで、
勉強会や
糖尿病教室などの
資料を
作っていたので、
作成することは
普通のことだった。
ところが、
看護師さんに
渡すと、
明らかに
戸惑っているのが
わかる。
「先生も、
ちゃんと考えて
作ると思います」
と拒否された。
「でも、
私が理解した内容と
合っているかどうか
確認したいので、
お願いします」
そう言って、
やっと受け取って
もらえたが、
医師に
見せるつもりも
なかったようだ。
翌日の回診でも
話題に
出なかったので、
後でF医師に
「見てもらいたい」
と話すと、
婦長とともに
飛んできた。
「素晴らしい」
とか、
「よく勉強している」
とか、
手の平を返したような
反応に閉口した。
ただ、
F医師の説明を
まとめて
同意書を作成した
だけなのだ。
でも、それが
B医師により
リスクを詳しく
付け加えただけで、
この病院の
C2ブロックの
同意書になった。
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むちうち闘病記 46
むちうち闘病記 46

入院生活<34>

その日の午後、
麻酔科のF医師に、
C2ブロック
について
聞くことができた。
この病院で
行うのは
初めてだが、
秋田の病院で
行われていて、
その弟子の医師が
全国でチラホラ
行っているという。
この病院も
透視下でできる
施設があるので、
やってみようと
思ったとのこと。
そういえば、
B医師も
透視下で行うので
リスクは少ない
と言っていた。
針は、22Gで
長さ8cm。
目盛りつきで
針先は
鋭利でないので
血管を
傷つけないという。
第2頸椎の上の
ガングリオンを
ねらい、
6センチほど刺入。
麻酔薬は
星状神経節ブロック
で使用している
カルボカインで、
ステロイド剤は
1~2cc
注入するそうだ。
局所麻酔薬を
使用してから、
針を刺すので
痛みは心配ない。
私は、左の
星状神経節ブロックを
月曜と木曜の週2回
行っているので、
初めは
左のC2を
行ってから
様子を見て
1~2ヵ月後に
右を行うという。
来週火曜日に
C2ブロックを行い、
状態がよければ
木曜に、
星状神経節ブロック
を行ってから
退院できるという。
先が見えてきた。
良くなって退院だ。
本当は
不自由な
手の動きを
治したいので、
右からやって
ほしかったのだが、
痛みは全て
頭も首も
肩も背中も
左側が強いので、
解消できれば、
日常生活が
変わるだろう。
隣のHさんは
星状神経節ブロック
を始めた
ばかりなので、
効果が出たら
C2ブロックを
受けるそうだ。
「治るかしら?
本当に
治ってくれれば
良いわね」
Hさんの言葉に、
私も同じ言葉を
繰り返した。
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むちうち闘病記 45
むちうち闘病記 45

入院生活<33>

自律神経が
大きく症状に
影響する疾患は、
医師を頂点とする
医療スタッフの
患者への応対で
大きく変わると思う。
医療者側に
とっては
些細なことでも、
患者の心は
大きく傷つく。
患者の家族も
同じだ。
そして
症状が悪化したり、
うつ病など
精神疾患を疑われ、
ドクターショッピングを
繰り返すのだ。
また、逆に、
医師の信者に
なってしまう患者の
気持ちにも、
納得できる。
痛みや
本当の苦痛は、
本人にしか解らない。
癌や心臓病など
生命の危機に
直結する
病気ではなかったり、
外見や
検査結果に
大きな異常が
見つからなければ、
緊急性がないと
軽視されてしまう。
痛みや、
苦痛の原因が解り、
治療法を
提示されれば、
飛びついてしまうのは
現状では
仕方ないと思う。
ただ、
飛びつきたくても、
地理的事情や
経済的事情で、
検査すら
受けられない人達も
大勢いるのだ。
だから、
医療従事者の
皆様は、
患者サイドの苦痛に
耳を傾けてほしい。
解ってもらうことが、
症状の緩和に
大きくつながるのだ。
自律神経が
症状に影響する
疾患は
特別な病気ではない。
全ての疾患が、
程度の差はあるが
影響している。
自律神経は
精神的なことが
大きく影響するので、
医療者の
患者への言動は
本当に重要なのだ。
ドクターショッピングを
繰り返す患者も、
医師を頂点とする
医療スタッフの
応対が、
教育によって
改善されれば
絶対に減らすことが
できるだろう。
政府も
医師会も
真剣に
取り組んでほしい
と、心から願っている。
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むちうち闘病記 44
むちうち闘病記 44

入院生活(32)

外来で
星状神経ブロックを
受けた時、
麻酔科のT医師に
C2ブロックの
話をすると、
B医師から
伝わっていなかった。
オイオイと
B医師に
突っ込みたくなる。
でもT医師は
「火曜日の
午後なら、
緊急の手術が
入らなければ、
なるべく
都合をつけて
立ち合います」
と言ってくれた。
わがままだと
自覚していたが
病棟に戻る時、
「先生、
お願いします」
と確認の
挨拶をした。
私は同じ病院で
治療を続けながら、
新たに
B医師を頂点とする
脳外科
の医師群が
治療に加わった。
C2ブロックという
得体の知れない
神経ブロックは、
今回の入院で
初めて会った
麻酔科のF医師だ。
それぞれが
新しい治療に
熱心に
取り組んでいるのは
解るが、
一番
信頼しているのは
T医師だ。
神経ブロックの
手技だけではない。
穏やかな人格と
患者さんたちに
対する応対が
素晴らしい。
ペインクリニックに
通院する患者は、
痛みや苦痛を
訴える人達ばかりだ。
明るい話題など
ほとんどない。
それでも
患者さんの話を、
いつでも変わらない
穏やかな態度で
聞いてくれるので、
こちらも穏やかで
安心した
気持ちになれる。
症状が
改善されるのは、
神経ブロックだけ
ではないと思う。
このT医師や
いつも低姿勢で
涼やかな声で
励ましてくれる
看護師Sさんの
効果が
大きいだろう。
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むちうち闘病記 43
むちうち闘病記 43

入院生活<31>

翌日というか、
夜中の
2時半前に
骨盤の痛みで
目覚めた。
その後は、
5時近くまで
変な夢を見ながらも、
何とか
ウトウトできた。
腰痛で、
トイレまで自力では
行けそうもない。
看護師さんを呼んで
車椅子で
連れて行ってもらい、
湿布も絆創膏で
固定してもらった。
隣のHさんも、
今日も車椅子生活。
彼女の方が
車椅子を
動かすのが上手だ。
私は、
自力で動かすと
肩が痛くなって
しまうので、
申し訳ない
と思いながらも、
入院仲間や
看護師さんの力を
借りていた。
でも、
ロキソニン服用の
効果か、
朝食後に、
隣のHさんと一緒に
自力で自販機の
コーヒーを買い、
建物から出て、
ゆっくり味わった。
病室に戻ると、
向かいの病室の
Sさんが来週
C2ブロックに決まり、
医師や婦長が
私を探していた
と言う。
私も宣告を覚悟だ。
そして、
回診の時に、
C2ブロックを
Sさんと同じ日に
行うことを
告げられた。
私が
星状神経ブロックを
受けている
T医師の
名前を出すと、
立ち会ってくれる
というので
承諾した。
だが、
あくまでも口頭での
やりとりだ。
頭の下部に
針を刺し
麻酔薬を入れる
というのに、
承諾書も
同意書もない。
C2ブロック
そのものの、
具体的な
説明もない。
受けるにあたっては、
しっかりと
説明を受けたい。
Sさんによると、
麻酔科のF医師が
詳しいそうだ。
生理食塩水
硬膜外持続注入の
時に、
手の汗の掻き方で、
神経ブロックを
薦めてきた医師だ。
顔は覚えている。
具体的な
説明を求めよう。
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むちうち闘病記 42
むちうち闘病記 42

入院生活<30>

プリモプエル
(乳児の声を出し、
コミュニケーションが
できる
人形型ぬいぐるみ)
のダイチャンも、
ありがたい
グッズの一つだ。
看護師さんとの
会話も増え、
入院仲間の
お友達が増えた。
そのお友達の中に
美容師さんがいて、
シャンプーを
してくれた。
さすが、プロ!
気持ち良い!
頭皮の血流が
ドンドン
良くなっていくのが
わかる。
ドライヤーで
セットしてもらう。
まさか、入院中に
こんな極楽気分を
味わえるとは
思ってもいなかった。
プリモプエルの
ダイチャンの、
お陰だけではない。
先にめまいで
入院していた
友人のIさんが、
仲立ちになって
知り合ったのだ。
まだ車椅子だが、
周囲の皆様の
お陰で
楽しく入院生活を
送っている。
女性が集えば、
世代を超えて
おしゃべりの輪が
できる。
医師に
あだ名をつけて
楽しんだり、
どこの誰が
カッコイイと
盛り上がったりと
話題はつきない。
また、お互い体調を
気遣いあって
無理もしない。
入院生活も
11日目となり、
病棟にも
すっかり
なじむことができた。
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むちうち闘病記 41
むちうち闘病記 41

入院生活(29)

翌朝は、
突然ひどい
両手のしびれで
目が覚めた。
冷えたのかも
しれないと、
電気毛布の温度を
上げた。
私の身体に
冷えは禁物なのだ。
6月だというのに、
まだ電気毛布を
使っている。
気候に合わせて
調整しているが、
日常生活で
一番大変なのは
調理だ。
お米とぎや
生野菜を洗うのは、
必ず水を
使わなければならない。
指先を冷やすと、
中指と薬指の
痙攣痛に襲われる。
冷蔵庫で冷やした
野菜も、ダメ。
ギュッとつかんで
皮をむくと
痙攣痛が来る。
だから、
調理の1時間前に
冷蔵庫から
出しておく。
缶ビールも、
うっかり
つかんでしまうと
大変!
「アイタタタ!」
と叫びながらも、
落としてしまうと
悲惨な
ことになるので、
何とか手近に置く。
その他のトラブルも、
百円ショップの
様々なグッズを
利用して
乗り切ってきた。
でも、もしも時代が
違っていたら、
便利な商品が
手に入る地域に
住んでいなかったら…。
私の身体では、
日常生活をまともに
過ごすことは
できなかっただろう。
生活どころか、
生きてこられたのか
どうか?
身体に支障が
あっても、
色々工夫して
何とか
対策できてきた。
気候の穏やかな
湘南地方に住み、
今の時代に、
こうして
生きていることに
感謝だ。
もちろん、
家族の協力や
理解があったことと、
友人にも恵まれた
ことにも感謝!
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